こちら(↑)のパン、「ヴィエノワ」という名前でおしゃれなパン屋さんに行くとみかけますね。
長い棒状のパンに斜めの細かいクープが特徴です。
こちらの写真は以前レッスンでご紹介した全粒粉入りの「パン・ヴィエノワ」です。
でも、本来「ヴィエノワ」というのはこの形のことをいうわけではないのです。
「ヴィエノワ」というのは、フランス語の「パン・ヴィエノワ(pain viennois)」のことで
「ウィーン風のパン」という意味。
また、甘いパンの総称を「ヴィエノワズリー(viennoiserie)」といいます。
日本は甘いパンも食事パンも、小麦を練ってイースト(酵母)で発酵させたものをすべて「パン」と呼ぶのに対して、
フランスでは「パン」は食事パンのことだけを指します。
甘いのは「パン」ではなく、「ヴィエノワズリー」。
ペストリーなんかもヴィエノワズリーに含まれます。
じゃ、「パン・ヴィエノワ」は?
フランス語のウィキペディアでによるとこんな感じです。
パン・ヴィエノワは長いパンで、皮はやわらかく艶があり、深い切り込みで装飾されている。
わずかな量だが、ヴィエノワズリーに近い材料(少しの砂糖、牛乳、モルト、バター)が配合されていることから、この名前である。
これらの材料の割合を上げればよりリッチな製品になり、ブリオッシュやパンオレに近づく。
なるほど。
そうなると、上の写真の全粒粉のヴィエノワは「パン・ヴィエノワ」ではないことになりますね(笑)
牛乳は使わないし、照り(艶)も出しません。そもそも全粒粉だし。
でもね、この長細くてクープのたくさん入った特徴的な成形がおしゃれだし、
この成形ができれば、すでに習っているパン生地からパンヴィエノワにすることだってできますよね。
応用力をつけていただきたいという思いから、
全粒粉で作るリッチではない生地を「パン・ヴィエノワ」にしてレッスンではご紹介することにしました。
ちなみに、フランスのパン・ヴィエノワは上記の通り、ほんの少しリッチな配合にしているだけなので、
さくっと軽い食感であっさりしています。
一方、日本のパン屋さんではわりとふんわり甘く仕上げているのが主流みたいです。
かなりパン・オ・レに近い感じ。
日本ではやわらかいパンが好まれますものね。
いつか、さくっと軽いパン・ヴィエノワもご紹介する日が来るかも^^