6月といえば梅雨。梅雨といえば、、、あじさい!
我が家のベランダのあじさいがただいま満開です^^
さて、今日は「パン生地の乾燥対策」についてのお話です。
乾燥対策は年中無休?!
秋・冬になると空気が乾燥してパン生地も乾燥しがち、、、というのは想像がつくかもしれません。
でもこれから梅雨が始まろうとしている今、なんでこの話題?
そんな風に思いましたか?
実は梅雨に始まり夏のジメジメした季節でもパン生地の乾燥には気をつけなくてはならないんですよ。
つまり年柄年中乾燥対策は必要なんです。
というのは、春や秋は気候が良いので窓を開けて過ごすことが多いと思いますが、
そのときに部屋に入ってくる風が当たることでパン生地は一気に乾燥してしまうのです。
風といえば冷房の風も同じです。
梅雨のシーズンから夏にかけてはジメジメしているから除湿・冷房をかけますね。
湿度はちょうど良くなるかもしれませんが、冷房機から出てくる風はパン生地をすぐに乾燥させてしまいます。
ですから、季節に関係なくパン作りをするときは常に乾燥対策をする必要があるんです。
具体的には部屋の湿度を加湿器などで調整する以外にどのような対策が必要でしょうか。
パン生地をこねるときの乾燥対策
ニーダー(パンこね機)やホームベーカリーでパン生地をこねるとあまり感じないのですが、
手ごねでパン生地をこねると分量通りの水分を入れているのに生地が硬い場合があります。
これはこねが足りないだけではなく、生地が乾燥していることがあるのです。
また、パン生地をこね上げたときの温度が高いと乾燥しやすいとも言います。
となると、室温が高いとき(春~秋)に手ごねでパン生地を作るときは乾燥に要注意ということになります。
こねているうちにパン生地の温度があがり、乾燥して生地が硬くなる
↓
生地が適正のこねあがり状態(やわらかい生地)にならないのでこね続ける
↓
ますます温度も上がるし、空気に触れている時間が長くなり乾燥もすすむ
こんな悪循環になってしまいます。
いつまでこねても生地がやわらかくならないときは、こね方が悪いのではなく生地が乾燥しているんだと疑ってください。
個人差がありますが、10分ぐらい経っても全然やわらかくならないなら(生地がまとまらなくてぐちゃぐちゃなのとは違います。生地はまとまっているのに硬い、乾燥している状態)、ベーカーズパーセントで1~2%の水を足してみてください。
200gの小麦粉の場合、1%の水は2gですので小さじ1/2弱ですね。
この量の水をこね台の上にのせます。
何回かに分けて生地をその水につけてこねると最終的にはその水を全部練りこむことができます。
小さじですくった水を一気に生地にかけてしまうと、たったの2gの水ですがビショビショになってしまいます。
あくまでも少しずつつけるのがポイントです。
手ごねの場合はニーダーやホームベーカリーでこねるよりも乾燥しやすいので、必要に応じて水分を調整してみてくださいね。
ベンチタイム~成形の乾燥対策
続いての乾燥ポイントはベンチタイム。
パン生地を15分以上放置するわけですから、何も対策しなければ生地はどんどん乾燥してしまいます。
成形するころには生地表面はカピカピでしょう。
私のオススメのベンチタイムの取り方をご紹介しますね。
生地を分割・丸めをしたあと、天板に布巾を敷きその上にパン生地を並べます。
乾燥しないように大きなビニール袋に天板ごとすっぽり入れてベンチタイムをとります。
この写真(↓)は成形後の生地が入っていますが、「天板ごとすっぽり」というのはこんな感じ。
硬くしぼった濡れ布巾をかける、
ラップをかける、、、など聞きますがせっかく表面をきれいにしたのに布巾やラップが生地にくっついてしまっては残念です。
その点、写真のよう空気を入れて膨らませれば生地にビニール袋がくっつくこともなく安心です。
パン屋さんのように番重に入れるのもいいのですが、ビニール袋なら収納場所にも困りません。
さて、これでベンチタイム中の乾燥は防げるのですが問題は成形に移るときです。
空気が乾燥していると、袋から出した瞬間に乾燥してしまいます。
例えば生地が6玉あったとして、一度にすべての生地を袋から出してしまうと、最後の生地玉を成形するときには生地はカッサカサ!
カサカサの生地は成形しにくいし、成形中に表面が切れてしまいます。
湿度が低いときは、袋から生地玉をひとつ出しては成形⇒ひとつ出しては成形をしてみてください。
これだけで全然違ってきますよ!
仕上げ発酵の乾燥対策
最後の乾燥ポイントは仕上げ発酵です。
オーブンの発酵機能を使うことが多いと思います。
最近は「スチーム発酵」といってスチームを出しながら乾燥しないように発酵させられるという便利機能もあるのですがどうもあまり役にたたないのが現実。
私のオーブンもそうなのですが、この機能を使っても生地がカサカサになってしまうと生徒さんからも多くお問い合わせをいただいています。
電気オーブンは発酵中でも絶えずファンが回っているので、どうしてもパン生地が乾燥してしまうみたいです。
そんなときは熱湯を入れた湯呑みをオーブンに入れてみてください。
その湯気で少しではありますがオーブンの庫内の湿度があがります。
または、ベンチタイムの時と同じく天板ごと大きなビニール袋に入れて発酵させます。
そのときに一緒に熱湯の入った湯呑を入れると温度も湿度も高くなりちょうど良い環境が作れます。
以上ですが、パン生地の乾燥について心当たりがあればぜひ上記の対策をお試しくださいね!