年に一度のお楽しみ!辻調製パン講習会

今年も行ってきました!

私が製パンについて勉強した辻調理師専門学校の製パン講座の修了生向け講習会!

毎年すごく楽しみにしているイベントです。

開催場所は東京都国立市のエコール辻。
「国立」は私が幼少から20歳まで育った町でもあります。

自宅のある行徳からは1時間半ぐらいかかってしまうのですが、大好きなホームタウンに年に一度帰って来れるのも楽しみのひとつでもあります。

<国立の大学通り>

さて、では早速ですが講習会のレポートをご紹介したいと思います。

【1日目】特殊製法で制作するパン

パンは熟成させることで風味が良くなりますね。

フランスパンなどはミキシングが短く、発酵時間を長くしてパン生地を熟成させます。熟成時間が長いと香りや風味が良くなります。

一方、この日のパンは強く長めのミキシングを取ることで熟成させ、発酵時間は短いものばかり。

そのかわり、別の工程で風味をつけていきます

ボイゲル

「ボイゲル」はウィーンの発酵菓子です。

バターたっぷりのリッチな配合。
最初からバターを入れてグルテンを出さない、そしてあまり発酵させない生地です。

中にはけしの実のクリーム(モーンフューレ)とナッツのクリーム(ヌスフューレ)を入れます。

ドイツ語で発酵生地をヘーフェタイクと言うそうですが、これはリッチで重いタイプのヘーフェタイク。
シュトーレンもこの重いタイプのヘーフェタイクで作るので、フルーツを入れて、生地にスパイスを練りこんだりすればいいそうです。

捏ね上げた生地の手触りもクッキーのような感じ。

ボイゲルの独特のなひび割れ模様、結構好きです♪

ブレッツェル

ブレッツェルはドイツのパン屋さんのシンボルだとか。
ドイツでは毎日すごい量のブレッツェルを焼くそうです。

さて、ブレッツェルもよくこね、発酵時間短めで作ります。

短い発酵時間だから風味が弱い。
それを水酸化ナトリウム溶液に付けてる焼くことで風味を補います
色も少し黄色くなります。

ちなみに水酸化ナトリウム溶液は劇薬なので扱いには注意が必要。
家庭なら重そうが良いみたいです。

ブレッツェルの形に成形にする途中の段階で、シュタンゲンにするのですが、難しい^^;

これは先生の↓

めっちゃキレイです☆

曲げてみたらこんな感じ。

カッコいい!
こんなにうまくできなかったですが、コツを伝授いただいたので、家で復習しないとね。

次は長~くのばして、最後に空中でくるっとねじったら、こんなにキレイなブレッツェルです。

ベーグル

これもミキシングが長くて、発酵は短いパターン。
風味は茹でることで付けていきます。

私はホシノ酵母でゆっくり発酵させるのが好きですが、
今日習ったベーグルも思っていたより美味しかったです。

グリッシーニ


最後はグリッシーニ!
サクッとして美味しかったです^ ^
なかなか家で作る機会がないのですが、人が集まるときにおつまみ感覚みたいにお出しすると喜ばれるかな。

【2日目】副材料を配合したパン

1日目はリーンなパンが中心だったので、今回はその逆ですね。

コリンテンブレートヘン

「カレンツが入った小型のパン」という名前です。

リッチな配合のパン生地にバターを折り込んだちょっと変わったパン。

生地にはたっぷりのカレンツとオレンジピールを入れています。

折り込みバターの量は少ないので、これなら夏でもなんとか作れるかな?
いつかレッスンで作れたらいいなー、なんて思いました。

オレンジピールの扱いについてちょっとしたコツも教えてもらいましたので、それはレッスンでお話ししますね^^

クグロフ2種

レーズンとオレンジピールの入ったのと、ベーコンが入った塩クグロフ。

バターを入れる前の生地ですが、こんなによく伸びます。

このクグロフ、バターたっぷりだけあってすごく美味しかったです!!
塩クグロフもドライフルーツのクグロフも最近レッスンで出していないからやろうかな?

リクエストあればおっしゃってくださいね!(私のレシピはここまでバター多くないです)

パン・オ・レとあんぱん

牛乳で仕込んだパン生地です。

成形してすぐにクープを入れます。
結構深くクープを入れても模様は出にくいですね。

同じ生地であんぱんも作りました。

自分でレシピを作ると、甘いあんこを入れるのに、生地にまで砂糖をたくさん入れるのは抵抗があるのですが、
甘いリッチなパン生地のあんぱん、やっぱりおいしいですね^ ^

多加水食パン

85%もの水を入れて作りました。
70%までは最初から、残りはバシナージュ(足し水)として。

いつも作る食パンよりかなり水の量が多いですが、中までしっかり焼けていてふんわりとおいしかったです。
家庭のオーブンだとここまでうまく焼けるかなぁ、という気もしますが、一度は試してみようかな。

【3日目】基本材料をもとに配合したパン

2日目のパンとは違い、副材料(卵、油脂、乳製品など)を使わないパン・トラディショネル(フランスパン)やライ麦パンなどリーンなパンばかりを作りました。

チャバタ

「チャバタ」はイタリアのパンで、その形から「スリッパ」という意味の名前「チャバタ」と呼ばれています。

切りっぱなしのパンといえば、フランスのパン「リュスティック」
名前が違うだけで同じようなものですね。

前日にポーリッシュ生地を仕込み、それを使って本生地を作りました。

でろ~~んとやわらか~い生地。
たっぷりの粉を使って広げます。

あとは三つ折りにしてからスケッパーでカットするだけです。

焼くときは切り口を上にしておきます。
クープは入れません。

いろんな表情のパンに焼きあがりました!

このアバウトな感じがイタリアっぽくていいですね^o^

パン・ペイザン

今回は写真のように棒成形ですが、丸い形のパン・ペイザンもありますよね。

そうなってくると、
「『パン・ペイザン』と『パン・ド・カンパーニュ』の違いって何?」

ということが話題になりました。

パン・ペイザンもパン・ド・カンパーニュもフランスのパンですが、

ペイザンとはフランス語で「農夫」、カンパーニュは「いなか」という意味。

「農夫のパン」でも「いなかのパン」でもニュアンスは同じ感じなんだと思います。

形や材料に定義はないそうですが、その昔、白い粉は地方のいなかにはなかったから、茶色のパンということにはなりそうです。

だから、真っ白の小麦粉で作ったものはパン・ペイザンでもパン・ド・カンパーニュなさそうですね。

ちなみにこのパンは前日にフランスパン生地を発酵種にして発酵生地を作り、
翌日はこの発酵生地と微量のイーストを少し加えて本生地を作るという、かな~~り面倒な工程。
その分、すごくおいしかったです!

ベルリーナ・ランブロート

これはドイツパン。ライ麦で起こした種「サワー種」で作りました。

ライ麦粉70%配合です。

そして、写真ではわからないかもしれませんが、これ、生地量なんと1kg!!

こんな大きなパン、初めて作りました!

バゲット

今年の講習会で一番の収穫がこのバゲット!

辻調の講習会は基本的にはプロ仕様なので大きな業務用のミキサーで生地を作りますが、
今回は手ごねでバゲットを作りました。

いわゆるパンチでつなげて作るこねないバゲットです。

といっても、30分ごとに6回!!!もパンチを入れました。

そして出来上がったバゲットがこれ↓↓

とてもいい感じの内層です~~!!!!
今までで一番うまくできたかも♪かなりテンション上がりました(笑)

そうはいってもバゲットに関してはまだまだできないことはたくさんあって、残念ながらレッスンできるレベルではありません。
成形やクープのコツは毎年教えていただいているのですが、、、

頭でわかっているのと、実際にできるのは別ですよね(^^;

家で復習してみたいと思いますがとりあえず大満足でした(笑)

フーガス

最後はフーガス!
バゲット生地から作りました。

チーズとオリーブが入っているのでおつまみに良さそうです。

以外な成形方法だし、すごくおいしかったのでこれはレッスンに取り入れたいですね。

そのうちメニューに加わるかもしれませんのでお楽しみに!



今年もとても充実した講習会となりました。
新しい出会いもあり、仲間ができました。
こういう交流が広げられる場を提供していただけることにも感謝です。

先生方、スタッフのみなさま、ほんとうにありがとうございました。

ご参加のみなさまもおつかれさまでした!

また来年、参加できるのを楽しみにしています!

そして、生徒のみなさまにもこの講習会で学んだことを還元できるように努めたいと思います。