12月のレッスンメニュー「クグロフ」。
楽しみにされている生徒さまも多いですね。
今回、試作の中で改めて確認したことがあるので共有させていただきます。
それがこちら。
左と右では膨らみが全然違いますね。
右の方がよく膨らんでいます。
何が違うと思いますか?
膨らんでいる方には「あるもの」を加えています。
それは「卵」です。
パンにおける「卵」の役割
卵は卵黄と卵白でそれぞれ役割が異なります。
パン生地に卵を入れたら、
「パンが硬くなった」
という経験はないでしょうか。
全卵を使った場合、卵白が入るからパン生地が硬くなるのです。
というのは、卵白に含まれるタンパク質が熱によって凝固するため、
焼き上がったパンが硬い食感になってしまうのです。
このように、卵白は生地を硬くするため、パン生地への好影響は卵黄が与えるといっても良いかと思います。
ですので、以下は卵黄の役割についてご紹介します。
1.卵黄の味がパンにコクと風味を与えます。
2.卵黄に含まれるレシチンと呼ばれるリン脂質が天然の乳化剤の役割をします。
3.パン生地の老化(硬化)を遅らせます。
上の写真のようにボリュームに差が出るのは、上記2の役割によるものです。
卵黄に含まれるレシチンは、
生地中の水と油脂を乳化し、生地がなめらかになります。
なめらかになるとどうなるのか?
パン生地を触れば実感できるのですが、卵黄入りのパン生地はよく伸びるんです。
よく伸びるから、焼成時にはパンが大きく膨らみます。
大きく膨らんだパンは食感も軽くなりますね。
そして卵黄を入れると口溶けもよくなります。
パンに卵の風味を付けたいという場合には、ぜひ卵黄だけを使ってみてください。
やわらかくて口どけの良いパンになりますので、ぜひお試しくださいね。
さて、もうひとつパン生地の伸展性をよくする材料がありますね。
それは「バター」です。
バターについての詳細はこちらをご覧ください。
膨らみをよくする「卵黄」と「バター」。
組み合わせて使うと膨らみが良くなりますが、
どちらもたくさん入れればそれだけ効果があるというわけではありませんし、
ほかの材料との兼ね合いなどもあります。
上手に使ってふわふわでリッチなパンを作ってみてくださいね。