レッスンで作る「ミルクハース」。地味なビジュアルと知名度の低さでしょうか、あまり期待されていないパンです(;^_^A
ですが、レッスンでご試食いただくと、ほんのり甘くてふんわりやわらかい想像を超えたパンの味にみなさん驚きのご様子です。
レッスン後は一気に作りたいパンに格上げされ、復習率が非常に高い。
生徒さんたちが復習すればするほどご質問もいただきます。
その中でも一番多かったご質問が
「パンがゆがむ」
というものでした。
ミルクハースはコロンとした形もあれば、棒状のもありますね。レッスンでは棒状に成型しています。
この棒状のミルクハース、というか棒状のパン、ご質問くださった方に限らず、成型が結構難しいと思ったことはありませんか?
片方が太いくてひょうたんみたいになってしまったり、ゆがんでしまったり・・・
私はあるあるです(;^_^A
だから、難しいというお気持ちがすごく分かるんです。
この悩みはミルクハースに限らず、棒状成型のパンすべてに当てはまりますので、今回は棒状成型における「ゆがみ」の解決方法について書いてみたいと思います。
※ちなみに成型方法は、丸めて休ませた生地を平らにして、三つ折り⇒二つ折りです。
棒状のパンがゆがんでしまう理由と改善について
焼きあがったパンがゆがんでいるのを見て、
「クープのせい?発酵させすぎ??なんでなんでーーー????」
とか、いろいろ考えちゃいますよね。
できあがりを見て初めてこのゆがみに気づくかもしれませんが、実は成型のときにすでにゆがんでいることがほとんどです。
ということで、原因はズバリ成型です。
では、どこを注意すればいいのでしょうか?
チェックポイント1:厚さは均一か
ベンチタイム後に生地を手のひらで押さえて円に伸ばしますね。
このときに、厚さが均一でないといけません。
チェックポイント2:伸ばした円は左右対称か
円(楕円)は左右対称でないと棒の太さが均一ではなくなります。
まずはよ~~~くここの段階でパン生地を観察してみてください。「観察」って大事だな、って最近すごく思います。
さて、厚さ均一、左右対称に伸ばすところまできれいにできていたら、あとは三つ折り⇒二つ折りにすれば
だいたいうまくいきます。
伸ばしたときの形と厚みに注意するだけで、ゆがみはだいぶ改善します。
チェックポイント3:とじ目はまっすぐか
最後に綴じ目がまっすぐかどうかもチェックしてみてください。
ここまで気を付けて成型してもパン生地が曲がっていたら、焼いてもきっと曲がっているはずです。
成型でのポイントは以上ですが、
もうひとつポイントをあげるとしたら成型の前のベンチタイムで生地をちゃんとゆるませてあげること、かな。
生地を手のひらで押さえて円にするときに、
弾力が強くて思うように円にならないときは休ませる時間が短か過ぎです。
適正にゆるんだ生地は成型がしやすいです^^
成型についてはほかにも「生地を張らせられない」、とかの難しさはありますが、「曲がる」、「ゆがむ」については上記でかなり改善できると思います。
実際にチェックポイントに注意して焼いてみた!
この記事を書くにあたり、同じように歪んでしまう経験のある私もチェックポイントを気を付ければ上手に成型できるのか気になり、さっそく焼いてみました。
急に思い立って夜にこねたので、若干過発酵かな、という感じの生地だったのですが、レポートさせていただきますね。
4本作りましたが、一番大事な円に伸ばしたときの写真がなくてすみません・・・でも、一応どれも気を付けてみたつもりです。
よ~く観察してみると、「2」は白線で囲った部分が少し曲がっています。
クープを入れたらゆがみがはっきりと!
焼いたらあらあら、ゆがんでしまいました。
伸ばしたときに「2」の生地がどうだったのかという写真がないのが残念ですが、成型完了の時点で曲がっていたのが最後にはっきりと出たという感じですね。
真ん中のクープがほかに比べて深いのも原因のひとつかもしれません。
ちなみに「3」のクープが焼いたら破裂していますが、ほかの生地はクープを5本いれたのに、これだけ4本でした。
5本入れたほうが均一にガスが逃げていくのかもしれませんね。
失敗の原因を考察する
パンの「ゆがみ」の原因についてここまで見てきました。
実際に写真をとってみるとよくわかりますね。
成型したときにゆがんでいなかったのに、クープを入れたらゆがんだということなら、クープが均等ではなかったかもしれないと考えられますし、
また、クープを入れたら生地がだら~っとなってしまったのなら過発酵を疑うこともできます。
できあがってしまってからあれこれ考えても失敗の原因ってよくわからないので、各工程でぜひ「観察」をしてみてください。何か見えてくることがあるかもしれませんよ~。