「ベーカーズパーセント」という言葉をご存知ですか?
「ベーカーズパーセント」とは、パンの材料の配合に使う表記法です。
小麦粉の量を100%とし、そのほかの材料の分量を小麦粉に対する割合(%)で表します。
(例)基本のプチパン
材料 | 分量(g) | ベーカーズパーセント(%) |
---|---|---|
強力粉 | 200 | 100 |
砂糖 | 8 | 4 |
塩 | 3.4 | 1.7 |
インスタントドライイースト | 4 | 2 |
水 | 134 | 67 |
プロの方のレシピにはベーカーズパーセントしか書かれていないそうですよ。
では、なぜ私たちが家庭でパンを焼くのにベーカーズパーセントを知っておくと良いのでしょうか?
ベーカーズパーセントを見れば、生地の味が分かるようになる!
初めての方へのレッスンで、私は必ずベーカーズパーセントについて説明するのですが、そのときに
「ベーカーズパーセントに慣れてくると、配合を見るだけで生地の味を想像することができるようになりますよ」
とお伝えしています。
では、例として3つのパンを実際に比べてみましょう!(配合はあくまで例ですよ~)
材料 | プチパン(%) | バターロール(%) | 食パン(%) |
---|---|---|---|
強力粉 | 100 | 100 | 100 |
砂糖 | 4 | 12 | 5 |
塩 | 1.7 | 1.5 | 1.7 |
スキムミルク | 0 | 4 | 0 |
インスタントドライイースト | 2 | 1.8 | 1.6 |
水 | 67 | 60 | 70 |
卵黄 | 0 | 5 | 0 |
バター | 0 | 15 | 5 |
例えばバターに注目してください。
プチパンは0%、バターロールは15%、食パンは5%。
バターの量が多ければ伸展性が良くなるので、バターロールはふわふわなことが分かります。
また、パンの種類によってイーストの量が違うということにも気づきます。
ベーカーズパーセントを見ながらパン作りを続けていると、配合を見るだけで
「甘くてふわふわなパン」とか、「シンプルなパン」とかということが分かるようになるし、
「これはきっとバターロールのような生地の惣菜パンだな」と想像もできるようになってきます。
だから、慣れてくると自分好みのパンレシピが作れるようにもなるんです。
砂糖の量を変えたり、小麦粉の一部を全粒粉に変えたりとバリエーションが広がります。
お手持ちのレシピにベーカーズパーセントが書かれていなかったら、計算して色んなレシピと比較してみるのも面白いですよ!計算の公式は下記になります。
ベーカーズパーセント=知りたい材料の分量 ÷ 粉の分量 × 100
上記の「プチパン」を例にとって計算してみましょう。
- 砂糖 8÷200×100=4%
- 塩 3.4÷200×100= 1.7%
- インスタントドライイースト 4÷200×100= 2%
- 水 134÷200×100=67%
ベーカーズパーセントで材料を計算する
ベーカーズパーセントが分かると便利なのが、作りたいパンの分量に合わせて、材料を計算できるところです。
例えば、お友達に配りたいから普段200gの小麦粉を使ってプチパンを作るところ、500gで作りたいとします。
知りたい材料の分量 =粉の分量 ×ベーカーズパーセント ÷ 100
これで簡単に計算できるので、とっても便利です!
- 砂糖 500×4÷100=20g
- 塩 500×1.7÷100= 8.5g
- インスタントドライイースト 500×2÷100= 10g
- 水 500×67÷100=335g
食パンなど型を1斤から1.5斤に変更するような場合の計算方法は下記の記事でご紹介しておりますので、こちらもご参考に!
>>食パンの型のサイズを変更するときの小麦粉量の計算方法(型生地比容積)
パンの材料を簡単に計算できるアプリ
さて、計算方法は分かりましたが、いちいち計算するのが面倒!という私みたいな方(笑)に朗報です。
なんと、数字を入力するだけでベーカーズパーセントを計算したり、材料を割り出すことができるアプリがあるんです!!!
iPhone 「パンの計算機」
Android 「ベーカーズパーセント」
使い方は割愛しますが、すごく便利なのでぜひお試しくださいね!