先日、生徒さまからこんなご質問をいただきました。
ずっとインスタントドライイーストの手ごねレッスンに通われていた方です。
「今までドライイーストで教えていただいたパンを、ホシノ天然酵母に置き換えて作る場合はどのように計算したらいですか?」
みなさんもきっと、これは知りたいですよね!
ということで、回答をシェアさせていただきたいと思います。
ホシノ天然酵母の量から仕込み水の量を考える
私はホシノ天然酵母をベーキングパーセントで6%~8%ぐらいを入れるようにしています。
インスタントドライイーストのレシピから変換するときも6~8%入れればいいと思います。
ところで、ホシノ天然酵母の生種は元種と水を1:2で合わせて作りますね。
ということは、生種のうち2/3が水分ということになります。
だから、ベーカーズパーセントで6%のホシノ天然酵母を使うなら4%は水分だと考えます。
ベーカーズパーセントについてはこちら
たとえば60%の水を使うなら、4%を引いた56%にします。
ただし、作ってみないとなんとも言えないので、そこから調整する感じにはなります。
ホシノ天然酵母は麹が入っているのでパン生地がだれやすいという特性があります。
だれた生地の扱いに慣れない方はもう少し水分を減らしてもいいかもしれないし、あくまでも上記はご参考と思ってまずは試作をしてみてくださいね。
水分以外の調整点
水分以外の調整は「イーストからホシノ天然酵母への単なる変換」という意味で言うと必要ないのですが、私の経験上だとこんな変換方法もありかな、と思います。
1.砂糖の量を減らす
ホシノ天然酵母のパン生地は長時間発酵させますので、パン生地は熟成され、香りや風味が出てきます。
そうすると、砂糖で甘味付けをしなくても、小麦粉の味だけで十分甘味が出ておいしいと感じられるようになります。
ですので、ホシノ天然酵母を使う場合はインスタントドライイーストで作るときよりも砂糖を減らすことがあります。
もちろん、砂糖は甘味付けだけではない役割がありますので、単純に減らせばいいというわけではありませんけどね。
パン作りにおける砂糖の役割についてはこちらをご覧ください。
[clink url=”https://atelier-de-gamine.com/2019/01/06/20190106/”]
2.バターを減らす
長時間発酵させるパン生地の良さは、上記にも書きましたが熟成による香味成分がパン生地に移り込むため、副材料の味に頼らなくてもおいしいということではないでしょうか。
「シンプルな配合でおいしい!」ということです。
バターもそういった意味では減らしてもよい副材料のひとつかもしれません。
短時間で作るインスタントドライイーストのパンの場合、
油脂が入らないと老化(硬化)が早いため、少量でもいいからバターを入れると翌日もおいしく食べられます。
でも、長時間発酵をさせる場合は小麦粉が水を十分に吸収するので老化(硬化)も遅くなります。
その点を考慮するなら、バターを少し減らしても十分おいしいくできると思います。
バターの役割についてはこちらをご覧ください。
[clink url=”https://atelier-de-gamine.com/2019/06/20/20190620/”]
イーストからホシノに変換しても同じパンになる??
答えはNOですね。
長時間発酵のパンと短時間発酵のパンでは食感と酵母の香りが異なります。
どっちが好きかは個人のお好みによるものかと思います。
「ホシノ天然酵母を使ったらイーストより膨らまなかった」
「パンがかたかった」
ということをたまに聞きますが、これは水分量や酵母量の変換ミス以外の点でいうと発酵不足があげられます。
また、ホシノ天然酵母はこねなくてもよいという見解もありますが、
個人的にはよくこねたほうがふんわりとおいしいパンが焼けると思います。
かたいパンが嫌いな方はまずはよくこね、発酵も十分にとってみてくださいね。
イーストで作るパン、ホシノ天然酵母で作るパン、それぞれの良さがありますので、それぞれに合った配合をご自分で見つけてみてください^^
以上ですが、ご参考にしていただけると嬉しいです。