【ニーダー比較】日本ニーダーvs.レディースニーダー

私のレッスンはオンラインも対面も「ニーダー」という家庭用のパンこね機を使って生地作りをします。

もちろんホームベーカリーで生地を作っても良いのですが、 パン作りにはまるにつれ、ニーダーへの買い替えをご検討される生徒さんが多くいらっしゃるため、 今回はニーダーについて書いてみたいと思います。ご興味ござましたらお付き合いくださいね。

比較するニーダーの種類

私は最近(2023年6月)まで10年以上ずっと大正電機の「レディースニーダーKN30」を使っていました。

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レディースニーダーが故障してしまったので、日本ニーダーの「PK660D」を購入し、今はこちらを試作やオンラインレッスン、また対面レッスンのデモンストレーションに使用しています。

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これとは別に、対面レッスンの準備には1.2kgまでこねられる日本ニーダーの「PK1012plus」を使っています。

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今回はサイズ感が同じの「レディースニーダーKN30」と「日本ニーダーPK660D」の2種類について比較をしようと思います^^

こねられる粉量を比較

「レディースニーダーKN30」は300g~600g、「日本ニーダーPK660D」は250g~600gです。

実際にはどちらの機種も200gぐらいからこねられますよ^^
私は150gでもこねています。ただし、ゆるい生地で150gの小麦粉ですと、レディースニーダーは羽が外れる場合があります。

最大粉量は両者とも600gです。

しかし、レディースニーダーは400gぐらいまでは問題無くこねられるのですが、それ以上になるにつれ、生地をこねるのに時間がかかってしまいます。その間に生地温度が上昇してしまったり、良い生地に仕上げるのが難しくなってきます。ですので、私は多くとも450gぐらいまでの小麦粉をこねることにしていました。

その点、日本ニーダーは600gまで入れてもこねる時間が長くなることはありません。生地によっては時間がかかってしまうこともありますが、レディースニーダーよりは時間をかけずにうまくこねられると思います。とはいえ、500gぐらいまでが無難かな、と思います。

価格を比較

少し前までレディースニーダーの方がほんの少しお安かった印象ですが、現在はあまり変わらないようです。両者ともネットなどでは3.5万円前後から購入できると思います。(2024年3月現在)

羽の形状と手入れのしやすさを比較

羽の形状が両者でかなり異なりますが、手入れのしやすさについてはあまり変わらないかと思います。

多少の差かもしれませんが、レディースニーダーの方が楽、かな^^

レディースニーダーはこねあがったあと、羽に生地がたくさんくっつくということはなく、羽を外してさっと洗えます。

レディースニーダー

一方、日本ニーダーは羽の裏のくぼみに生地が入り込んでしまうことがあります。

とはいえ、手入れが特に大変ということはありません。

日本ニーダー

○○の方が生地がうまくこねられるのはなぜ?

では、どちらの機種が生地をうまくこねることができるのでしょうか。一番肝心な部分の比較ですね。

結論からいうと、日本ニーダーの方が断然良い生地を作ることができます!!

水分が多めでべたつく生地も、最終的には表面はツルっと、そしてふわっとした感じにこねあがるんです。

一方、レディースニーダーは水分が多い生地をこねるのは苦手だと思います。生地がまとまらずにベタベタドロドロなんてことも。

3つの点から、日本ニーダーがどうしてよい生地をこねることができるのかを見ていきましょう。

1.生地温度が上がり過ぎない

生地がうまくこねらたかどうかは、こねあげ温度がすごく影響してきます。ホシノ天然酵母のパンだったら、こねあげ温度は25℃以下が好ましいと思います。

レディースニーダーは、ホームベーカリーと同様に生地を入れるポットがすっぽりと本体に入っている「内釜方式」なので、モーターが熱くなるとポットも熱くなり、生地温度がすぐに高くなってしまいます。 うっかりしていると28℃や29℃なんてことも!!

冬はそれほど問題ないのですが、夏は本当に大変!水だけでなく、小麦粉もポットも冷やして、もちろん冷房も入れて、とにかくがんばって温度を上げない工夫をしなければなりません。

一方、日本ニーダーは夏でも生地温度が上がらない工夫がされています。

ポットは外に出ている「外釜方式」を採用。モーターの熱が上がってもポットまで熱くなることはありません。だから、2種類、3種類の生地を連続して作ることもできます。

また、ポットにぐるっと一周巻きつけることができる保冷剤が付属されています。これがすごく優れもの。ふたをしておけば、こねている間もポットの中はひんやりとした温度が保たれます。

夏のパン生地作りは温度が高すぎるとうまくいかないのですが、日本ニーダーなら真夏のパン作りでもこねあげ温度を25℃以下にするのは簡単です。

2.こねる速度を選べる

レディースニーダーは一定の速度で生地をこねます。しかも「たたきごね」を再現する設計のため、回転速度はかなり速いです。ポットの形も「たたきごね」を再現できるように工夫がされています。たたきごねをするようなリッチなパンには向いているかと思います。

一方、日本ニーダーはかなり遅い速度から、速い速度までダイヤルで選べるようになっています。

パン生地をこねるとき、小麦粉に水を加えたら、はじめのうちは小麦粉が水を吸うまでゆっくりこね、 グルテンが形成され始めて生地に伸展性が出てからスピードを上げるのが一般的です。

レディースニーダーは速度調整ができないので、最初から最後まで同じ速度(かなり高速です)でこねることになりますが、 日本ニーダーはこねる速度を調整できるので、よりこだわった生地作りをしたい方には向いていると思います。

また、水分が多い生地は、始めから速くこねるとグルテンがうまくできないように思います。ですが、日本ニーダーなら生地の状態を見ながら速度を変えていくことが可能です。

3.特許取得のこね羽

日本ニーダーで生地がうまくできる一番の要因は「こね羽」なんだと思います。

このこね羽は特許を取得しているそう。つまり、こね方が良いんです!!

上記で温度が上がらない工夫とか、速度が選べる、とか挙げてきましたが、つまるところ、こね方なんだと思うんですよね。

先ほども書きましたが、日本ニーダーを使うと、表面がつるっと、そしてふんわりした生地にこねあがるのです。

買うならどっち?

さて、もうお分かりかと思いますが、私は断然「日本ニーダー」をオススメします!

以前はレディースニーダーの方が安かったので、どちらとも言えないと思っていました。

ですが、値段的な差がなくなってきた今となっては、うまく生地が作れる日本ニーダーが絶対にオススメです。

日本ニーダーを使ってこねるようになって、大げさかもしれませんが、「初めて『うまくできた生地』を知った」ような気がします。

上手にこねられた生地は、一次発酵での膨らみもよく、べたつきも少ないから成型もうまくいくし、結果的にオーブンの中でも釜伸びしておいしいパンが出来上がります。

パン作りの8割はコネで決まる

と言われますが、まさにその通りだと思います。

もちろん、初心者のうちは成型がうまくできない、とか、いろいろと悩みはあるかもしれません。

しかし、良い生地がこねられていれば、成型は丸めるだけにするなどかんたんに済ませることで、本当においしいパンが焼けるはずです。

以上となりますが、この記事がニーダーの購入をご検討中の方に役に立てば幸いです^^

なお、当教室は日本ニーダーのパートナーパン教室になっています。 対面・オンラインともにレッスンを受講されたことのある方は特別価格で販売しますのでお声がけくださいね。