
パン作りをしていると、
「この前はうまくいったのに、今回はなぜかいまいち…」
「同じレシピのはずなのに、全然違う仕上がりになる」
そんな経験はありませんか?
実はこれ、とてもよくあることです。
そして多くの場合、レシピが悪いわけでも、技術が足りないわけでもありません。
今日は、同じレシピなのに仕上がりが変わってしまう理由について、少し整理してみたいと思います。
理由1:生地の状態は毎回違う
まず一番大きなポイントはここです。
パン生地は、いつも同じ状態にはなりません。
・気温や湿度
・粉の状態
・水分の吸い方
・こねあげたときの温度
こういった条件によって、生地のやわらかさや発酵の進み方は毎回変わります。
つまり、
「レシピ通りに作っているのに違う」のではなく
「作るときの条件と生地の状態が毎回違っている」のです。

理由2:発酵の見極めは“時間”ではなく“状態”
レシピにはよく
「一次発酵 60分」などと書かれていますが、
本当に見るべきなのは“時間”ではなく“生地の状態”です。
同じ60分でも
・気温が高い日 → 発酵は進みすぎる
・寒い日 → まだ足りない
ということが普通に起こります。
ここを時間で判断してしまうと、
仕上がりが大きく変わってしまいます。
下の写真をご覧ください。
ホシノ天然酵母パンのオンラインレッスンで、同時に同じレシピで作った生地の写真です。
左は私が作った生地ですが、5時間で2倍弱まで膨らみました。
右は生徒さんの生地です。同じぐらいの大きさに膨らむまで7時間かかりました。
生徒さんの環境と私の環境は異なりますので、発酵時間も異なってきます。

右:約7時間で2倍弱
理由3:ちょっとした手の違い
パン作りはとても繊細で、
・こねる強さ
・丸めの張り
・成形のときの力加減
こういった小さな違いが、焼き上がりに影響します。
でもこれは「上手・下手」というより、
その日のコンディションや感覚の違いによるものが大きいです。
では、どうすればいいのか?
ここまで読むと
「じゃあ毎回うまくいかないのでは…?」と感じるかもしれませんが、
大丈夫です。
大切なのは、
“レシピ通りに作ること”から
“生地を見て・触って判断すること”へ
少しずつ意識を移していくことです。
たとえば
・生地のやわらかさはどうか
・発酵はどのくらい進んでいるか
・触ったときの感触はどうか
こういった「状態」を見るようになると、
仕上がりはだんだん安定してきます。
■ 最後に
パン作りがうまくいかないとき、
「自分が下手だから」と思ってしまう方も多いのですが、
実はそうではなくて、
パン作り自体が
“毎回同じにならないもの”なのだと思います。
だからこそ、
少しずつ生地の変化を感じながら作っていくことが、
上達への近道なのかもしれません。
完璧に同じ仕上がりを目指すのではなく、
その日のパンと向き合う。
そんな気持ちで楽しんでいただけたら嬉しいです。
(「発酵の見極めが難しい」と感じている方は、レッスンでもよくご質問をいただくところなので、また別の記事でもご紹介できたらと思います)

