【パン作りの材料】油脂の役割とバターについて

パン生地にバターをどれだけ入れるか。

「バターはコレステロールの塊だからあまり入れたくない

と思われている方は多いのではないでしょうか。

そうですねぇ。私もそう思う部分はあります。

ですが、バターを入れるとパンにどのような効果があるのかを知ることで、バターの分量についてご自分で判断してレシピを組み替えることができるのではないかと思います。

そんなわけで、今回はパンにおけるバター(油脂)の役割について書いてみることにしました。

あわせてバターについてもいろいろとご紹介いたします!

パン作りにおけるバター(油脂)の役割

一番の役割はやはりパンにバターのコクと風味を加えておいしくすることではないでしょうか。

バターの味や香りがあまり好きではないならともかく、バターの香りが効いたパンはおいしいですよね!
教室でもバターをたくさん入れる「バターロール」は人気の一品です。

そのほか、味や香りの効果でいうとオリーブオイルを入れるとバターとは異なる香りと風味が加わりますね。
太白胡麻油や菜種油を使う場合もあります。
中華まんにはラードを使うレシピも見かけます。

私は使いませんが、無味無臭のショートニングもパン作りにはごく一般的に使われます

なぜ無味無臭のショートニングを使うかというと、それは油脂の風味付け意外の役割を知ると理解できます。

バターに限らずショートニングなどの固形油脂にはパン生地の伸展性をよくする役割があります。

パン生地をこねているとき、パターを入れる前と入れた後では、生地の伸びがまったく違うのは経験されていると思います。

パン生地の状態を確認するために生地を伸ばして膜をチェックしますね。
しっかりこねられたバター入りの生地は向こう側が透けるぐらい薄~い膜ができます。

中学生の作ったパン生地です

これは固形油脂の持っている可塑性(かそせい、外部からの物理的な力により、その形を自由に変えること)」を利用しているからなのです。

指で押して形が変わるぐらいの硬さの油脂(=可塑性のある油脂)を生地に練り込むと、油脂は生地中のグルテンをコーティングし、生地自体も油脂とともによく伸びる(伸展性)状態になるわけです。

伸展性のある生地はオーブンの中でもよく膨らみ、ボリュームのあるパンに焼きあがります

無味無臭のショートニングを入れる理由は、そのパンにとって油脂の味や香りが邪魔になるけど、パン生地に伸展性を求めるときに使われるのです。

オリーブオイルや菜種油など液状の油脂は固形のパン生地には入りにくいので、一般的にはこね始めに入れるようです。

でも、私は最初から油脂が入るとこねにくいので、ある程度生地がつながってから入れることもあります。

理論的にいうと、液状の油脂を途中で生地に入れるのはあまりよくないのかもしれませんが、少量であればかえって生地は作りやすいように感じますけどね。
この辺は実際にご自分で試してみてください。

油脂を入れるタイミングに関する記事はこちら↓
[clink url=”https://atelier-de-gamine.com/2018/05/28/20180528/”]

油脂を入れないバゲットに代表されるリーンなパンを作るときにも1~2%のバターが配合されることがあります。
これは風味付けではなく、伸展性をよくするために入れているのです。

風味付け、伸展性という役割のほかに、水分の蒸発を防ぐ効果があるので、パンの老化(硬化)を遅らせ、長持ちさせることができます。

ふんわりとよく膨らむパンを作るために入れる油脂ですが、たくさん入れるときはかえってパサつきが出てしまうこともあります。
クッキーなどで考えるとわかりやすいですが、バターはさくっとさせる効果もありますね。その効果が裏目に出るとパサつきが出てしまいます。

例えばバターを40~50%入れるブリオッシュ生地。
うまくできないとぱさついたパンになってしまいます。
バターを練りこんでいるうちに溶けてしまったりするので、温度管理にも敏感にならないといけません。

パン講師をしている私がいうのもなんですが、これだけ多くのバターを上手に練りこむのは難しい。。。

いつか寒い季節に特訓してみようかな(笑)

バターの種類

バターには塩の有無で加塩バター食塩不使用バターに分類されます。
パン作りには「食塩不使用バター」を使います。

また、発酵バター」・「非発酵バターという分類もあります。

発酵バターとは

バターの製造工程は簡単にいうとこんな感じです。

1.生乳から脂肪分を分離させる。これが生クリーム。
2.生クリームを攪拌し、脂肪分をくっつけ手練り上げたものがバター。

「発酵バター」というのは生クリームに乳酸菌を加えて発酵させてから撹拌してバターにします

日本では割と値段も高くて一般的とは言い難いのですが、ヨーロッパはほとんどのバターが発酵バターです。

私は大学生のときにフランスに1年間留学した経験があるのですが、貧乏学生だった当時はバゲットをよく食べていました。
(クロワッサンやブールに比べてずっと安いのです(^_^;)

バゲットにはとりあえずバター!と思いバターを買って食べいたのですが、日本のバターと全然違うことに驚いたのを覚えています。

とにかくおいしい!

友達なんかはおいしさのあまり、「私、バターだけでも食べれる・・・」と言っていたほどです。

よく食べていた「プレジデント」のバター

当時、発酵バターの存在など知らなかったので、

「なんでフランスのバターはこんなにおいしいんだろう・・・?」

と思っていたのですが、後になってあれは発酵バターだったんだと知りました。

すこし酸味があってチーズっぽい?なんだろう?とにかく日本のバターとは全然違うという印象でした。

バターのおいしさは水分量の違いにもあった!

発酵しているかという違いのほかにもフランス(ヨーロッパ)のバターがおいしい秘密があります。
それは日本のバターに比べて水分量が少ないということです。

日本のバターは乳脂肪分80%以上、水分量17%以下にするのが法令で定められています。

それに対し、例えばフランスとドイツでは乳脂肪分82%以上、水分量は16%以下です。

水分量が少ないからコクがあるんですね。

日本のバターでいうと、高級バターの代表カルピスバター」が乳脂肪分83.8%以上、水分量は15%以下です。
やはりおいしいと定評があるバターは水分量が少ないようです。

では、パン作りにはどれが適しているのでしょうか?

それは好みによると思うのですが、私は食塩不使用・非発酵のよつ葉バターを使っています。

足りなくて明治バターを買ったこともありますが、パン生地に入れる分にはそれほど違いは感じませんでした。

そもそも私のレシピだと入れる量が少ないからあまり差が感じられないのかもしれませんが。

発酵バターやカルピスバターを使うとしたら、バターをたくさん使うパンやクロワッサンなどの折り込みに使うとバターのおいしさを活かせると思います^^

バターの成分

食塩不使用バターなら約80%が脂質になりますが、特筆すべきはビタミンAが豊富だということです。
そのほかにはビタミンD・Eも含んでいます。

ビタミンAは目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、細菌に対する抵抗力を強めたりする働きがあるそうです。

最後に

バターは太る、体に良くなさそう、といって敬遠されるかもしれませんが、パン作りにおいてはどのような効果があるのかを知って上手に利用してみてくださいね

お菓子と比べれば、パンには格段に少ない量のバターしか使いませんので^^

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