今日は東京ビックサイトで開催されている「P&B JAPAN」という製パン業界向けのイベントに行ってきました。
お目当てはホシノ天然酵母の社長が登壇するセミナーです。
昨年もこのイベントでホシノ天然酵母のセミナーに参加したのですが、そのときの題目はホシノルヴァンを使った多加水パンの提案でした。
そして今年のセミナータイトルは「ホシノ天然酵母パン種の美味しさの秘密」。
普段からホシノ天然酵母を使っていますので美味しいのは分かっています。
でも、社長自らがどのように説明するのか興味深々。
セミナーの内容は大きく分けて3つありました。
ひとつめはホシノ天然酵母社の親会社の機械の紹介でした。
ホシノ天然酵母を使って長時間発酵することで発生したまばらで大きな気泡を潰さずに、でも平たくして分割できる機械。
全然意味分かりませんね・・・(^_^;)
戦後にアメリカから来たふわふわのパンではなく、
ヨーロッパのパン、つまり長時間パン生地を発酵させ、高温で焼き上げる昔ながらのパン作りをしてみませんか?それに向いているのはこの生地を分割する機械ですよー、
といった内容です。
大きいパン屋さん向けの機械ですね。
ふたつ目はセミナータイトルのホシノ天然酵母パンの美味しさの秘密です。
科学的に3つの角度から検証したとのことです。
1.食感の検証(破断試験)
ホシノ天然酵母は長時間発酵させるので水和が進みます。
水和とは小麦粉と水が結びつくことです。
これによりモチモチの食感が生まれ、パンの保湿性も高まります。
モチモチした食感のパンは前歯がパン生地に触り、噛み切るまでの時間がながく、こういった食感は日本人をはじめ、アジアでは好まれるというのがわかっているそうですよ。
だからホシノ天然酵母パンは「おいしい!」と感じるんですね。
2.香りの検証
ホシノ天然酵母は酵母と麹を使っているので、いわゆる酒種酵母のようなものですね。
その発酵臭は>吟醸酒のような芳香なものを常に目指しているとか。
実際にその香気成分を分析したグラフを見せていただきました。
ホシノ天然酵母には「ホシノ天然酵母パン種」と「ホシノ丹沢酵母パン種」がありますが、その二つを比較していました。
その検証によるとホシノ丹沢酵母の方が吟醸香というのは強いようです。
3.旨みの検証
ホシノ天然酵母に含まれる麹は小麦澱粉分解することで甘味を出し、小麦たんぱくはアミノ酸へと変わり旨みを醸します。
その旨みの検証では、「ホシノ天然酵母パン種」のほうがアミノ酸値は高く出ていました。
ホシノ天然酵母パンの食感・香り・旨みのどれをとってもが私たち日本人にとって美味しいと感じる要素を持っているんですね。
なるほど~!と納得してしまいました。
ここまで科学的に検証すると、吟醸香の強い丹沢酵母も試してみたくなりますね。
むか~し、丹沢酵母を使ったことがあるのですがそのときは違いがよくわからなかったけど、今ならわかるかな。
最後はホシノ天然酵母から新しい酵母ができたという発表でした。
それはなんと「薔薇酵母」!
広島県福山市がバラの町として今後PRしていくそうで、
その一貫でホシノ天然酵母社が協力して作った酵母だそうです。
生種の香りは普通のホシノ天然酵母とあまり変わらない感じでした。
でも、バラ酵母で焼いたパンはいつものホシノ天然酵母パンとは少し違った香りがしましたよ。
バラのような、フルーティーな、そんな香りです。
この薔薇酵母は当面、福山の特産品開発の「ぬまくま夢工房」が販売するそうです。
インターネット販売もありますのでリンクを貼りますね。
リンク先にはこの開発に関する新聞記事も掲載されています。
ご興味あればぜひご覧下さい^^