先日、生徒さんからこんな質問がありました。
「レシピによってベンチタイムの時間が変わるのはなぜですか?」
実は、オンラインレッスンで作る「山型食パン」と「ベーグル」ではベンチタイムの長さが違います。山型食パンよりベーグルの方が10分長くしています。だから少し混乱してしまったのですね。
今回は「ベンチタイム」の意味について書いてみたいと思います。
「ベンチタイム」とは?
「ベンチタイム」は一次発酵が終わった生地を「分割」」し、生地を「丸め・まとめ」たあと、「成形」まで生地を休ませる時間のこと。
生地を分割して丸める(まとめる)というのは、一次発酵中にできた不揃いな気泡を抜いて均一化した生地を丸めることです。
このとき、生地の表面に張りを持たせてなめらかにすると、このあとの工程でパンをきれいに成形することができます。
<丸め>
また、生地を「触る」、「丸める」、「まとめる」といった作業により、生地のグルテン組織に刺激が与えられ、生地は弾力を持ちます。
しかし、弾力のある状態では、生地は伸びず成形がうまくできません。
そこで、成形がしやすくなるまで生地を休ませてあげるのです。
この休ませる時間のことを「ベンチタイム」といいます。
そもそも、パン生地というのは力を加えると弾力を持ちますが、時間がたつとゆるんでくるものなのです。
ベンチタイムの時間は作るパンによって異なりますが、
成形時に薄くのばすようなパンの場合は、生地が十分にゆるむまで休ませると良いでしょう。
また、成形のときもパン生地はある程度伸ばすと、
それ以上は伸びるどころかすぐに縮んでしまうことがあります。
こういうときは、それ以上いくらがんばって伸ばそうとしても伸びませんので、生地を一旦休ませてください。
すると、また伸びるようになります。
よく「ピザ生地がうまくのばせません」という話を聞きます。
これも上記と同じことで、伸びなくなったら生地を少し休ませてあげるといいですね。
ベンチタイムの取り方
ベンチタイム中に注意したいのが、「生地の乾燥」です。
乾燥を防ぐ方法はいろいろあるかと思います。
例えば、、、
・ラップをかける
・きつく絞った布巾をかける
・番重に入れる、などなど。
でも、ラップや布巾がパン生地に直接触れると、せっかくきれいに丸めたパン生地の表面が荒れてしまうこともあります。
番重は収納時に場所をとりますよね・・・
そこで私がオススメしているのが、こんな感じです↓
天板に布巾を敷いてパン生地を並べ、大きなビニール袋に天板ごとすっぽり入れるのです。
写真のように空気を入れてふんわりさせておけば、生地に袋が触れることはありません。
このようにしても、もしまだ生地が乾燥しているのなら、お湯を入れたカップを入れてみてください。
カップのお湯はこぼさないように注意してくださいね^^
乾燥とは逆に、パン生地がベタベタしているということもありますね。
冷蔵発酵させた生地を急に暖かい室温に置いた場合、温度差で結露が出てしまい、生地がべとつきます。
もし、成型がやりにくくなりそうなほどべたついているなら、無理に袋に入れる必要はなく、そのまま何もかけずにベンチタイムをとってくださいね。ただし、夏は冷房の風などで意外と乾燥しますので、途中で確認することもお忘れなく^^
以上、ベンチタイムをとる理由と、ベンチタイムの取り方について書いてみました。
内容がお役に立てばうれしいです。