手ごねと機械ごね、どっちが良いの?

皆さんはパンを作るとき、生地を手でこねますか?
それともホームベーカリーやニーダー(家庭用パンこね機)でこねますか?

今回は手ごねと機械ごねの違いについて書いてみたいと思います。

機械ごねの特長

私は専らニーダー派です。

何と言ってもラクチンです。

パンをこねるのには量にもよりますけど大体20分、ふわふわのパンなら30分はこねます。
こねるのは楽しいですが、時間を取られるといえばまあそのとおりです。

でも、ニーダーならその時間のかかる労力を全て肩代わりしてくれるのです!!

すごいと思いませんか?

忙しくても頻繁にパン作りをしたいなら、断然機械こねがオススメです。

もうひとつ利点があります。

パン生地は小麦粉の種類によって「こねやすい」「こねにくい」ということがあります
また、水分量の違いや卵黄が入るかどうかなど、配合によっても「こねやすい」「こねにくい」という違いは出てきます

だから、パン作り初心者の方には配合によってはどうしても難易度という概念ができてしまいます。

そこで登場するのがニーダー」や「ホームベーカリー」などパン生地をこねる機械です。

パンのおいしさは生地作りで8割が決まるとも言われるほど、生地をこねる工程は大切なわけですが、
ニーダーやホームベーカリーを使えばこねの工程においては難易度というのをあまり気にしなくてよくなるわけです。

機械に頼ってももちろんありますよ、こねやすい生地とこねにくい生地。

だけど、こね始めが一番ベタベタして難しいのですが、そこをニーダーやホームベーカリーにお願いすることで、たとえこねる技術があまりなくてもある程度まで生地を仕上げることができるのです。

パン作りを習い始めてすぐにいろんな生地にチャレンジできる。
これってすごくパン作りが楽しくなることにつながると思うのです。

手ごねの特長

では、手ごねの良さは何でしょうか。

いろいろあります。

まずは楽しい!
面倒かもしれませんが、無心になってこねるのは楽しいです。
いや、面倒なのではなく、むしろ楽しいから手でこねる

手ごねのクラスに参加される方のほとんどはそう感じていらっしゃると思います。

次に「生地の状態がよくわかる」ということがあげられます。

普段から手ごねをしていれば、生地を触れば「今、生地はどの状態なのか」が分かるようになってくるかと思います。

コツコツ技術を磨くなら手ごねはいいと思います。

でも、そんなことはすっ飛ばしていろんなパンを作ってみたい場合はニーダーやホームベーカリーはとても便利です。

機械は万能ではない

ただし、機械ごねについて注意したいことがあります。

それは、機械は万能ではないということ。

先ほど「こねやすい」「こねにくい」配合があると書きました。
こねにくい生地はニーダーやホームベーカリーでこねても完成するまでに時間がかかることがありますので、
設定した時間が終了したからといって生地ができあがったとは限らないのです。

だから、必ず手でグルテン膜のチェックをしてください。

先日のレッスンで生徒さんからこんな質問をいただきました。

「ホームベーカリーで2回こねているのですが、レッスンで作る生地のように膜がはらないのですが、そのまま次の工程に進んでいいのですか?」

答えはNO

2回稼働させても生地ができあがらないなら、作業台に出して手ごねしてください。

機械でこねる時間が長すぎると生地温度が上がりすぎてしまうことがあります。

家庭用のニーダーやホームベーカリーはポットの底についている羽がクルクルまわっているだけなので、
底に近い生地と上の方の生地では状態が違ってきます。

なので、作業台に出して手ごねをしてみると案外すぐに生地ができあがるということがあるのです。

このような質問をたまにいただくので、最近のレッスンではニーダーでこねた後、最後は生徒さんの手で仕上げていただいています。
レッスンだけでなく、ご家庭でもぜひ最後は手で生地を仕上げてくださいね。

今までのパンが格段においしくなるはずですよ^^

ニーダーとホームベーカリー、買うならどっち?

こればかりは何ともいえないです。

最近のホームベーカリーはジャムが作れるなど多機能が搭載されているので、それはそれで魅力だと思います。

価格の面では、ホームベーカリーは1万円弱から3万程度までと幅が広いですね。

ニーダーは最低でも3万円弱ぐらいします。

どれだけの量をこねるのかというのも選ぶときに確認したいポイントです。
ホームベーカリーならほとんどが小麦粉300gぐらいまででしょうか。

ニーダーなら最大容量は600~1200gぐらいまで対応しています。

一番大きな違いはホームベーカリーは最後まで自動でパンが焼ける。
ニーダーはこねの機能に特化している。という点です。

ホームベーカリーの自動パン焼き機能が必要な方はこれを選ぶしかありませんね。

でも、この記事の読者のほとんどが自動パン焼き機能のパンでは納得できないのではないでしょうか。

とても主観的な意見になりますが、ホームベーカリーの自動焼きで作ったパンはおいしくない。
焼きたてはおいしいと感じるかもしれませんが、すぐにパサついてしまいます。

それはもちろん、自動だからです。

パン生地の見極めなど一切省いてプログラム通りにしか作らないからです。

自動で作ることより、自分で成形してパンを作りたい方ならやはりこねに特化したニーダーがいいのではないかと思います。
イーストやバターを入れるタイミング、こね時間を自分で設定できますし、何よりもホームベーカリーよりうまくこねられます。

(あ、でもMK精工の商品はこね・発酵の時間やこねの強度を自分で設定できるみたいですね。)

そうは言いつつも、結局は先ほども書いたとおりニーダーでも生地ができあがっているとは限らないので手で完成させることを考えれば、
ホームベーカリーの方が値段も安いのでそれでもいいのかもしれませんね。

結論、用途や値段、容量など、ご自分にあったものをぜひ選んでみてください^^

ちなみに、パン屋さんが使うミキサーは家庭用ニーダーとはまったくちがうものです。
手ごねやニーダーとは比べものにならないほど良い生地ができるんですよ。

それはそれ。家庭製パンは家庭製パンなりに楽しんでいきましょうね。