先日のレッスンでのこと。
この日はインスタントドライイーストでツォップを作っていました。
いつものように生地につながりができて、膜が張るぐらいになってからバターを入れることを説明すると、
「そんなにこねてからバターを投入するんですか?」
と驚かれていました。
確かに、私もはじめてパン作りを習ったとき、「全体に材料がまざったらバターを入れる」と教えられた気が、、、
意外と早過ぎる段階でバターを入れている方が多いの、かな、、、?
バター(油脂)投入のタイミングによる違い
バター(油脂)投入のタイミングによって何が変わってくるのか、少し考えてみたいと思います。
まず、パンをこねているときのパン生地の様子ですが、
(1)生地をこねはじめる
(2)材料がざっと混ざるが、まだ粉気が残る
(3)粉気がなくなりひとかたまりになる。生地はボソボソして伸びない
(4)生地を伸ばすとちぎれずに伸びる。膜はまだボソボソ感は残る。
(5)生地を伸ばすとちぎれずに伸びる。薄い膜ができる。
(6)こねあがり
こんな感じですね。
それで、バターをいつ入れるかというと、(4)または(5)の段階というのが一般的かと思います。
(4)にするのか、(5)にするのかは作りたいパンによります。
一般的なバター入れのタイミングは主に、ハード系なら(4)、ソフト系なら(5)です。
でも、(4)か(5)、どちらのタイミングで入れても、圧倒的に味が変わるというのはないように思えます。
確かに焼き比べれば膨らみなどにも影響は出てきますが、一番変わってくるのは作業性なのではないでしょうか。
バター(油脂)を入れるとグルテンができにくくなりますので、たくさんバターを入れるなら(5)でしょう。
(4)で入れると、なかなかグルテンができず、こねあげるのに時間がかかってしまいます。
(5)で入れれば、油脂は一旦グルテンを切りますが、再度つながるのにそれほど時間はかかりません。
少量のバターしか入れず、グルテンのつながりを強くする必要がないハード系のパンは、だから(4)のタイミングで良いのだと思います。
でも、油脂の多いソフトなパンでも例外があります。
「クリーミング」と言って、油脂、卵黄、砂糖などを泡立てて、細かい気泡をあらかじめ作り、そこに小麦粉を加えてこねることで、ソフトなパンに仕上げる作り方もあります。
作りたいパンによって、バター入れのタイミングを変えると良いですが、
家庭の作るふんわりしたパンであれば、大体の場合、(4)か(5)になります。
(3)は明らかに作業性も悪く、膨らみが悪くなるかと思います。
自己流でパン作りをされていた場合、意外と早過ぎるタイミングでバターを入れているようですね。
少し遅めにバターを入れると、こねやすくなって、結果的にふんわりと美味しいパンができますので、ぜひバター入れのタイミングにも気をつけてみてくださいね!