インスタントドライイーストのパンは臭い?
先日、ホシノ天然酵母とインスタントドライイーストのパンを同時に作るレッスンにお越しいただいた方が、
「イーストのパンなのに、臭くないですね」
とおっしゃりました。
同じようなことをたまに言われることがあります。
「イーストのパンはもっと臭いと思っていました」って。
焼き立てのパンは確かにイースト臭を強く感じますが、それ以外なら私はそれほど気にしたことはありません。
鼻が悪いのかな?(苦笑)
でも、臭いと思っていた方も、私のレッスンのパンを食べてびっくりされるので、きっと臭くないんだと思います(笑)
レッスンで作るパンはベーキングパーセントで1.7~2%のイーストを入れます。
決して少ない量ではないですよね。
では、なぜ臭くないのか?
これはツォップの講習会で教えていただいたことなのですが、
イースト臭がするとしたら、それは最初から死んでいるイーストの匂いなんですって。
もちろん、一定の割合で死んでいるイーストが混ざっているのは仕方ないのですが、
イーストを多く使えば、死んでいるイーストの量も増えて匂いが強くなるということらしいです。
できるだけ正常なイーストの量を保つために大切なことといえば保存方法ですね。
イーストの匂いが嫌いとおっしゃる方のほとんどが、イーストを冷蔵保存されているということが最近分かってきました。
イーストは必ず「冷凍保存」してくださいね。
そうすれば、可能な限り正常なイーストの量を保っていられます。
また、メーカーによっても匂いが強い・弱いがあるみたいです。
「みたいです」というのは生徒さんたちのお話から分かったことで、
自分で確かめてはいないのですが、、、
私は普段「サフ・インスタントドライイースト」を使っているのですが、
スーパーで売られている黄色いパッケージのイーストは匂いが強いって、みなさんおっしゃりますね。
もし「サフ・インスタントドライイースト」を使ったことがなかったら、一度お試しいただくことをおススメします。
インスタントドライイーストの種類
さて、サフ・インスタントドライイーストには「赤」「金」「青」の3種類があります。
サフ・インスタントドライイースト「赤」と「金」の違い
この2つは入れる砂糖の量で使い分けます。
赤サフは低糖生地用で、砂糖の量が0%~12%、金サフは多糖生地用で5%以上の砂糖を使う生地に使用します。
ところで、イーストは砂糖をエサにしてその数を増やしていきますね。
厳密にいうとイーストは砂糖そのものを食べているのではなく、イーストが持つ「インベルターゼ」という酵素が砂糖をブドウ糖と果糖に分解し、それを体内に取り込んで発酵するのですが。
多量の砂糖を入れれば、その生地中の溶解濃度が高くなります。
すると、イーストの細胞壁の内と外ではその濃度に差が出てきます。
浸透圧の関係でイーストは自分が保持している水分を外に流出させてしまいます。
砂糖の濃度の低いところから濃度の高いところへ水が流れるということです。
その結果、イーストは脱水症状をおこしてしまい細胞は破壊してしまい、発酵が進まなくなる、というわけです。
そこで登場するのが金サフ!
金サフは浸透圧に対する耐久性が強いタイプなのです。
だから、砂糖の量が多いときは金サフを使うということになるのです。
青サフとは?
青サフは赤サフと同じく低糖生地用のイーストですが、赤サフ・金サフとの違いは、ビタミンCが添加されているか否かという点です。
ビタミンCはグルテンを強化するので、フランスパンのように水分が多くてだれやすい生地の場合にビタミンCを添加すると作業性が良くなります。
家庭ではビタミンCをわざわざ添加することはないと思いますので、水分量が多い生地なら赤サフを使っていれば安心ですね。
まとめ
赤サフを持っていれば大抵のパンは作れると思います。
でも、金サフは短時間で作るパンの場合(もちろん加糖生地)に向いているといわれているので、
レッスンでは砂糖が13%以上でなくても金サフを使うことが多いです。
また、砂糖が5%より少なくても金サフでもちゃんと発酵してくれます。
イーストの違いを知って、ご自分のパンに合わせて選んでくださいね。