先日、レッスンにはじめて参加された生徒さんからこんなお話を伺いました。
以前、大手パン教室でイーストのパンを習っていたとのことですが、水温がいつもすごく高かったとのこと。
でも、ほかのレシピを見たり、違う教室に行ってみるとこんなに温度が高いことはなく、
「なぜ教室によってパンを仕込む水の水温がこんなに違うのか?」
とずっと疑問だったそうです。
仕込む水温が違うと何が変わるの?
ズバリ、発酵時間が変わります!
正確にいうと、生地をこね上げたあとの「こね上げ温度」が変わります。
こね上げ温度が高いパン生地は、発酵が早く進みます。
その逆で、こね上げ温度が低いパン生地は発酵に時間がかかります。
大手のパン教室のレッスン時間はおよそ2時間のようですね。
そうすると、2時間でレッスンを終わらせるには生地温度をかなり高くして、20分ぐらいで一次発酵を終わらせるとか・・・
そのようなパンがおいしいかどうかは、私はそのレシピを知らないのでここでは触れませんが、
一般的にはインスタントドライイーストで作るソフト系のパンは最低でも2時間半、できれば3時間~4時間かけて作るのが良いとされています。
なぜなら、ある程度時間をかけて発酵させないと、小麦粉が水分を十分に吸収しませんし、
発酵で発生する香りがパン生地に移るからパンの香りや味に深みが出るわけで、それが20分ではただ膨らむだけだと言えます。
そして、早く作ったパンは焼き立てこそおいしく感じるかもしれませんが、数時間後にはかたくなってしまいます。
質問に戻ります。
「なぜ教室によってパンを仕込む水の水温がこんなに違うのか?」
に対する私なりの回答は、
「パンをこね始めてから焼き上げるまでの時間が教室ごとに違うから」ではないでしょうか。
少しいやな言い方かもしれませんが、教室の都合でそうなっているんだと思います。
あ、もちろん、早く焼きあがるからこそ、手軽でパン作りが身近になるっていう良い部分もありますよ!
結局、どのようなパン作りがしたいか、ということですね。
パン作りに正解はありませんから!
水温はどうやって決めるのか?
一般的な話になってしまいますが、インスタントドライイーストが1.7~2%ぐらいで、一次発酵に50分ぐらいとろうと思ったら、こね上げ温度は27~28度になります。(もちろん、そのときの室温にもよります。)
27~28度のこね上げ温度にするためには、以下の計算式を当てはめます。
(室温 + 粉温 + 水温)÷ 3 ± こねている時の温度変化 = 27度(こね上げ温度)
室温や粉温によって仕込み水の温度は変わってきますね。
夏は低い温度、冬は高い温度になります。
長時間発酵のパンのこね上げ温度
長時間発酵させるパンの場合、こね上げ温度は低めに設定するのが普通です。
でも、夏はどんなにこね上げ温度を低くしようと思っても、これがなかなか難しいんです(^_^;)
そんな話は冬バージョンになりますが、こね上げ温度を設定通りにすることについて別の記事に書きましたので、こちらをご覧くださいませ。